慧一郎がまた歳を取った。一日ごとに、新しい言葉が聞こえてきておもしろい。
慧一郎は、やってほしくないことをされると「モウ シナイデネ」と最近は言うので、ほーと感動してしまう。言葉で返すようになって、人間味がある。
よく行くカフェで、私が英語を勉強する間、時間稼ぎの策として彼にクロワッサンを与えるのだが、クロワッサン一口ちょうだいと言ったら「モウ シナイデネ ケイチャンノデス」と言って、ほー、であった。お願い一口だけ、と何度もしつこくせがんだが「ヒトクチスンナ」と言われて、結局その日はクロワッサンをもらえなかった。
慧一郎がつくった積み木を壊したりすると「こわすな。ノーノー」と言っていた。ノーノー、彼の毎日の中で聞いて覚えたのか、想像すると感慨深い。
これは去年から毎日慧一郎に尋ねていることだが「慧一郎ははやおと私を選んで生まれてきたのか?」と訊くと「しょーなの(そーなの)」と言うので、私はまた、ほーと感動して、しみじみうれしくなるのであった。
最近はそれに加えて「どうして、はやおと私のところにしたんだ?」と訊いている。「あたしとー けいちゃんとー はやおとー ともちゃんとー」とよく分からないことを言うが、今日は「ジャパニーズフード」と返ってきた。私の作る日本食が好きなのかもしれない。
毎日行く公園では、昨日くらいから小さなロッククライミングが登れるようになった。私のイチオシの、公園の回転椅子では怖がって乗って遊ばないので残念だ。一度試しに乗せてみたら、すごく嫌がられた。他の子はすごい勢いでビュンビュン回っていて、目が回らないのか心配になるくらいだ。慧一郎のそういうところを見てみたいが、いやならば仕方ない。
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